🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 子実体はゼラチン質で、脳みそ状・葉状・クッション状など多様な形態を示します🧠
- 湿った時はプルプルのゼリー状、乾燥すると薄いフィルム状に縮みます💧
- 全ての種が他の菌類に寄生するという驚きの生態を持っています!
- 白色の種が多いですが、代表種のT. mesentericaは黄金色!英名で「黄色い脳みそ(yellow brain)」とも呼ばれます✨
- 顕微鏡で見るとシロキクラゲ型担子器(縦や斜めの隔壁)が特徴的です🔍
- 菌糸または酵母状の形態をとり、二相性の生活環を持ちます
- 宿主菌糸に侵入する特殊な吸器(haustorium)で栄養を吸収します
- 食用種のT. fuciformis(シロキクラゲ)は宿主とともに培養する特殊な栽培法が必要です🍄
シロキクラゲ属は、まるでゼリーのようなプルプルした質感が特徴的な菌類のグループです。この属は一見材などから直接生えて栄養をそこから得ているように見えますが、全ての種が他の菌類に寄生するという驚くべき生態を持っています。黄金色に輝くT. mesenterica(コガネニカワタケ)や、中華料理でおなじみのT. fuciformis(シロキクラゲ)など、見た目も生態も個性豊かな仲間たちが含まれています。
シロキクラゲ属(Tremella)は担子菌門・シロキクラゲ綱・シロキクラゲ目・シロキクラゲ科に属します。1753年にリンネによって命名されましたが、当初は藻類として分類されていました。1794年と1801年にペルスーンによって菌類に再分類されています。
分子系統学的研究により、従来のTremella属は多系統群であることが判明しました。その結果、T. foliacea関連種はPhaeotremella属へ、T. encephala関連種はNaematelia属へ、T. moriformis関連種はPseudotremella属へと、それぞれ新しい属に移されました。現在の狭義のTremella属には、基準種のT. mesentericaを含む約30〜40種が含まれています。
シロキクラゲ属の基準種で、鮮やかな黄金色のゼリー状子実体を形成します。英語では「yellow brain(黄色い脳みそ)」「witches' butter(魔女のバター)」などと呼ばれます。子実体は最大7.5cm、脳状または葉状で、湿った時は油っぽい光沢があります。Peniophora属の木材腐朽菌に寄生し、広葉樹の枯れ枝でよく見つかります。
純白で海藻のような美しい子実体を持つ食用種です。中国では「銀耳(インアル)」と呼ばれ、薬膳料理に使われます。時にかなり大型になり、薄くて縮れた葉状の構造が特徴的。クロコブタケに代表されるAnnulohypoxylon属の菌類に寄生し、主に熱帯・亜熱帯の広葉樹林に分布しますが、関東の里山でもクロコブタケと一緒に生えているのが普通に見られます(ただ、日本のものはT. yokohamaensisなど別種の可能性も)。栽培は宿主菌とともに行うと収量が増加することが知られています。
T. mesentericaと非常によく似た黄色いゼリー状菌ですが、キウロコタケに寄生する点が異なります。子実体の表面はつや消し状で、乾燥しても形を保ちやすいのが特徴。胞子サイズも8.5-10×7-8.5μmと、T. mesenterica(10-16×6-9.5μm)より小型です。切り株や倒木上の宿主菌の近くで見つかることが多いです。
T. globisporaは球形の胞子が特徴的で、Fuciformisグループに近縁です。T. parmeliarumやT. ramalinaeなどは地衣類に寄生する特殊な生態を持ち、宿主の地衣体上に小さなゼリー状の塊を形成します。T. vesiculosaは水泡状の特徴的な子実体構造を持つ種として知られています。
シロキクラゲ属の全ての種は菌寄生菌で、他の菌類から栄養を奪って生活しています。多くの種は宿主の子実体に直接寄生しますが、一部の種は木材内部の菌糸に寄生します。この寄生は「シロキクラゲ型(トレメロイド)吸器」と呼ばれる特殊な構造によって行われ、宿主の菌糸に侵入して栄養を吸収します。
興味深いことに、多くの種は二相性の生活環を持ちます。宿主がいない時は酵母のような単細胞状態で生活し、宿主に出会うと菌糸を形成して寄生生活を始めます。T. fuciformisの場合、この特性を利用した独特な共培養による栽培方法が開発され、中国では年間十万トン規模で生産されています。
顕微鏡観察の重要性:シロキクラゲ属の正確な同定には顕微鏡観察が不可欠です。特に重要なのは担子器の形態で、「シロキクラゲ型」と呼ばれる縦または斜めの隔壁を持つ特徴的な構造を示します。胞子のサイズと形状、吸器の構造、菌糸のクランプ連結の有無なども重要な識別形質です。近縁種との区別には、宿主菌の同定も欠かせません。特に微小な種の同定は困難ですが、野外での色や質感だけでなく、これらの微細構造を総合的に観察することで、確実な同定に近づけるかもしれません…。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。