🗓️ 最終更新日: 2025-05-30
- 典型的なきのこ型のきのこが大多数。子実体は白色〜灰色〜褐色が基本ですが、ユキワリ属では鮮やかな色彩も!🎨
- 多くの種で群生または束生する(株をなす)傾向があり、特にハタケシメジやブナシメジなどは典型例です🍄
- 顕微鏡的には、担子器の内部に鉄染色性(シデロフィラス)顆粒を持つのが最大の特徴です🔬
- 胞子は無色、楕円形、平滑で非アミロイドが一般的…あまり特徴がないですね✨
- ヤグラタケ属(Asterophora)は他のきのこの上に発生、オオシロアリタケ属(Termitomyces)はシロアリと共生という特殊な生態!🐜
- クランプは多くの属で存在しますが、オオシロアリタケ属では完全に欠如します
- 地上生のものも多いですが、材上に発生するシロタモギタケ属(Hypsizygus)(ブナシメジ等)は高い位置の樹幹に発生します🌲
- 分子系統解析により11の進化系統が特定され、形態に基づく従来の分類の再検討が進行中です📊
シメジ科(Lyophyllaceae)は担子菌門の中でも特徴的なグループで、担子器内に鉄染色性顆粒という特殊な構造を持つことで知られています。食用として重要なホンシメジやブナシメジを含む一方、特殊な生態を示す属もあります。1981年にJülichによって科として確立されました。
シメジ科は担子菌門(Basidiomycota)・ハラタケ綱(Agaricomycetes)・ハラタケ目(Agaricales)に属し、ハラタケ目内のTricholomatoid系統群内に位置づけられる単系統群です。分子系統解析により、従来の形態に基づく分類とは部分的にしか一致しないことが判明し、現在までに少なくとも11の進化系統が特定されています。
最新の研究では、核rDNAのITS領域とRPB2遺伝子が系統解析の重要なマーカーとして使用されています。過去10年間でAustralocybe、Calocybella、Clitolyophyllumなど多くの新属が設立され、分類体系の再編が進行中です。特筆すべきは、担子器内の鉄染色性顆粒の存在が、分子データからも科の単系統性を支持する重要な形質として確認されたことです。
シメジ科の基準属で、世界中に広く分布します。ハタケシメジ(L. decastes)は撹乱地でしばしば大群生し、傘の色は変異に富みます。ホンシメジ(L. shimeji)は日本の高級食材として知られ、高値で取引されてきましたが、近年は大黒しめじなどの名前で栽培されています。他にはシャカシメジ、カクミノシメジなどの食菌も。多くは腐生菌として落葉やリターを分解し、粉臭さを持つ種もあります。
ブナシメジ(H. tessellatus)は東アジア原産で現在世界中で栽培される重要な食用きのこ。傘に特徴的な「テッセレーション」と呼ばれる大理石模様のような斑点が見られることがあります。あまりにも身近な存在ですが、野生のものは関東の里山ではまず見られません。ブナ帯に行く必要がありますね…。
「美しいきのこ」を意味する属名の通り、空色、黄色、紫色など鮮やかな色彩を持つ種を含みます。C. carneaやヨーロッパで珍重されるユキワリ(英名:セントジョージマッシュルーム)が代表種。主に腐生菌として森林の地上や腐朽木材上に発生し、一部は民間薬としても利用されています。
他のきのこの子実体に発生する珍しい属で、主にベニタケ属(Russula)やチチタケ類の腐敗した子実体上に発生します。とはいっても寄生菌というわけではなく、普通に培養できるので腐生菌ともいわれています。星形の装飾を持つ厚壁胞子を通常の担子胞子とは別に大量に形成するのが特徴で、属名も「星を運ぶもの」の意。A. lycoperdoidesは傘が粉状になり、A. parasiticaは絹状の繊維で覆われます。
シロアリと絶対的な共生関係を持つ驚異的な属。シロアリの巣内の「菌園」で培養され、長い偽根(pseudorhiza)が地中の巣まで伸びます。T. titanicusは傘径1mに達する世界最大の食用きのこ!アフリカとアジアで貴重な食料源となっており、抗酸化作用など様々な薬理作用も報告されています。
シメジ科は生態学的に極めて多様で、腐生・寄生・共生という主要な栄養摂取様式を全て含む珍しいグループです。多くの種は腐生菌として土壌中の有機物や落葉を分解し、森林生態系の物質循環に貢献しています。
ヤグラタケ属の他のきのこ上での発生や<オオシロアリタケ属のシロアリとの共生など、特殊化した生態的地位を占める種も含まれます。興味深いことに、これらの生態学的な移行は科内で複数回独立して起こったことが系統解析から示唆されており、シメジ科の進化における適応放散の証拠となっています。地理的には北半球の温帯地域で特に多様性が高く、Termitomyces属のみアフリカとアジアの熱帯地域に分布が限られています。
シメジ科同定の決め手:シメジ科に共通する顕著な肉眼的・顕微鏡的形質はないので、各属、各種を個別に覚えていくのが現実的です…。コノハシメジのように、いまいち特徴のない種も多いです。生育環境を確認(地上・木材・他のきのこ上・シロアリ塚)、子実体の色と発生様式(単生・群生・束生)、胞子の形状とクランプの有無などの一般的な形質をしっかり記録しましょう。しかし、種によっては変異が大きいものもあるので注意が必要です。可能なら顕微鏡で鉄染色性顆粒を確認(アセトカーミン加熱処理)するとシメジ科の確実な分類形質の情報が得られます。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。