🗓️ 最終更新日: 2025-05-30
- 肉質が脆くチョークのように壊れやすいのが最大の特徴で、襞も柄もポキッと折れます🍄
- チチタケ属とカラハツタケ属は傷つけると乳液(ラテックス)を分泌、ベニタケ属は乳液なし💧
- 胞子紋の色は純白から暗黄色まで変化し、属や種の同定に重要です🎨
- 胞子はメルツァー液でアミロイド反応を示し(重要!)、疣や隆起で装飾されています(顕微鏡必須)🔍
- 傘の色は赤・紫・緑・黄色など鮮やかなものが多く、特にベニタケ属で顕著です✨
- 全て外生菌根菌で、樹木と共生して森林生態系を支えています🌲
- 属までの同定は比較的簡単!でも種同定は激ムズ(特に赤色系のベニタケ属)!チチタケ属も2つに分かれたので難易度UP…
- 最新の分子系統解析で背着生の菌類も含むことが判明し、形態の多様性が明らかに📊
ベニタケ科は担子菌門最大級の科で、世界中に約1,900種が分布します。子実体が「脆い」のが最大の特徴で、傘も柄も襞もチョークのように簡単に折れてしまいます。主要な属はベニタケ属(Russula)とチチタケ属(Lactifluus)とカラハツタケ属(Lactarius)の3つで、後ろの2属は傷つけると「乳液」を出すのが特徴。全て外生菌根菌として樹木と共生し、森林生態系の維持に欠かせない存在です。
ベニタケ科は担子菌門・ハラタケ綱・ベニタケ目に属します。歴史的にはハラタケ目に分類されていましたが、顕微鏡的特徴の研究により独立したベニタケ目として認識されるようになりました。
2008年以降の分子系統解析により大きな再編成が行われ、従来の(旧)チチタケ属(Lactarius)から(新)チチタケ属(Lactifluus)が分離、新属ウズゲツチイロタケ属(Multifurca)が設立されました。さらに驚くべきことに、背着生の子実体を形成するBoidinia属やGloeopeniophorella属も本科に含まれることが判明。また、地下生菌のチチショウロ属が実はカラハツタケ属に含まれることも示唆され、形態だけでは系統関係を判断できないことが明確になりました。
世界で約750種、iNaturalistでは35万件以上の観察記録がある最大の属。乳液を出さないのが最大の特徴で、傘は赤・紫・緑・黄色など鮮やかな色彩を示します。肉質は極めて脆く、味は辛味・苦味・温和と様々。胞子紋は白色から暗黄色。全て外生菌根菌で、特定の樹種と結びつく種も多いです。
世界で500種以上、観察記録15万件超。切断すると乳液(ミルク)を分泌するのが名前の由来。乳液を出す旧チチタケ属のうち、チチタケそのものを除く多くの種が、むしろこちらの属に含まれることになりました。乳液の色は白・黄・赤・青など多様で、空気に触れると色が変わる種も。傘には環紋をあらわす種が多く、生長すると中央部が窪んで漏斗状になる傾向があります。北半球の温帯林で特に多様性が高く、多くが食用きのことして利用されています。
2008年にLactariusから分離された属で、観察記録はカラハツタケ属の1/5程度の3万件超。知名度の高い種はチチタケのほか、ヒロハチチタケ、ケシロハツやツチカブリなどが含まれます。Lactarius同様に乳液を分泌しますが、熱帯地域により多く分布。顕微鏡的には傘や柄の被膜に厚壁の末端細胞を持つことが多いのが特徴。側生(柄が傘の中心ではなく横につく)タイプのチチタケ類はほぼ全て本属に含まれます。
2008年設立の新しい属。黄色〜鮭肉色の傘と規則的に分岐する狭い襞が特徴。科内で最も暗い胞子紋で特徴づけられ、樹脂やシトロネラの強い香りがあります。アジア太平洋地域を中心に分布し、観察記録は少ないものの、特徴的な形態により識別は比較的容易です。
地下生の腹菌型子実体を形成する特殊な形態の属。切ると乳液を分泌することからチチショウロ(乳松露)の名があります。胞子散布は動物による掘り起こしに依存。分子系統解析ではカラハツタケ属クレードの内部に含まれることが示されていますが、形態があまりに異なるため別属として扱われています。
ベニタケ科のきのこは全て外生菌根菌として、世界中の森林で樹木と共生関係を築いています。菌糸が樹木の細根を包み込んで菌根を形成し、土壌から吸収した水分やミネラルを樹木に供給する代わりに、光合成産物である糖分を受け取ります。
温帯林から北極圏のツンドラ、熱帯雨林まで幅広い環境に適応し、それぞれの生態系で重要な役割を果たしています。多くの種が特定の樹種と強い結びつきを持ち、例えばマツ林にはマツと共生する種、ブナ林にはブナと共生する種が優占します。子実体は昆虫や小動物の重要な食料源となり、胞子散布にも貢献してもらっています。
ベニタケ科の見分け方:科までの判別は慣れれば容易です。そこからまず肉質の硬さをチェック→脆く折れやすければベニタケ科の可能性大!次に乳液の有無を確認→柄や襞を傷つけて乳液が出ればチチタケ属かカラハツタケ属、出なければベニタケ属!胞子紋の色(=襞の色)が白〜クリーム〜黄土色の範囲かどうか、可能なら味を確認(少量を舌先で味見してすぐ吐き出す)→辛味・苦味の有無と程度。生息環境と近くの樹木を記録→外生菌根菌なので宿主樹木の同定も重要です!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。