🗓️ 最終更新日: 2025-05-31
- 子実体を傷つけると乳液(ラテックス)が出るのが最大の特徴!色は白・橙・赤・青など様々🥛
- 脆い肉質で、ベニタケ属と同じようにポロポロと崩れやすいんです💔
- 傘は成熟すると窪んで漏斗形になることが多く、襞は柄に垂生します🌂
- 乳液の変色パターンが同定の決め手!空気に触れて緑や黒に変わる種も✨
- 種によって特定の樹木とだけ共生する外生菌根菌です🌳
- 傘の環紋や粘性の有無も亜属レベルの識別に重要です🎯
- 味(辛味・苦味)や香り(カレー臭など)も種の特定に役立ちます👃
- 胞子はアミロイド反応を示す網目状・疣状の装飾を持ちます🔬
カラハツタケ属(Lactarius)は、ベニタケ科に属する外生菌根菌で、その名の通り傷つけると「乳液」を分泌するのが最大の特徴です。世界で約600種が認められており、特に北半球の温帯域で多様性が高いグループです。2011年の分類学的再編により、従来の旧チチタケ属(Lactarius)から新チチタケ属(Lactifluus)とウズゲツチイロタケ属(Multifurca)が分離され、現在の属概念が確立しました。全ての種が特定の樹木と外生菌根により共生する、重要な森林構成要素です。
カラハツタケ属はベニタケ目・ベニタケ科に属し、1797年にPersoonによって記載された歴史ある属です。当初の基準種はツチカブリ(L. piperatus)でしたが、分子系統解析により従来のLactariusが側系統群であることが判明。2011年に基準種をカラハツタケ(L. torminosus)に変更することで属名が保存されました。和名もその時に基準種に合わせられています。
現在は3つの亜属(Lactarius亜属、Russularia亜属、Plinthogalus亜属)に分類されています。興味深いことに、腹菌型のArcangeliella属とZelleromyces属も系統的にはLactarius属内に位置することが示されていますが、正式な統合は現時点では行われていません。
本属の基準種で、北半球温帯域に広く分布。傘は桃色と黄褐色の混合で、縁は内側に巻き込み、若い時は顕著に毛羽立ちます。カバノキ属とのみ共生し、乳液は白色で強い苦味があり、空気に触れても変色しません。胞子は楕円形で網目状装飾を持ちます。
トウヒ属と特異的に共生する種で、欧米での観察記録が多いです(iNat約4,000件)。最大の特徴は乳液の変色。初め赤橙色だった乳液が時間とともに緑色に変化します。この緑変は本種と近縁種の重要な識別点。傘は橙褐色で環紋をあらわし、襞も橙色を帯びます。ヨーロッパから北米、アジアまで針葉樹林帯に広く分布。
Russularia亜属の代表種で、コナラ属樹木と特異的に共生。傘は帯赤褐色で環紋が明瞭、表面は乾燥しています。最大の特徴はチョウジ(丁子)に喩えられる特有の香りで、乾燥標本でも長期間残ります。乳液は水様の白色で変色しません。ヨーロッパ原産ですが、北米には形態的に酷似した別種が存在。
Russularia亜属の小型種で、傘径は通常5cm以下。全体に赤褐色で、最大の特徴は乾燥時のカレーまたはナツメグの芳香。この香りは乾燥標本でも数年間持続します。乳液は水様の白色で変色せず、味は穏やか。日本では他の種と比べて早い時期にも発生。広葉樹林、特にブナ科樹木の下に発生し、北半球温帯域に広く分布します。
カラハツタケに酷似しますが、全体的に色が淡く、傘は白色〜淡いクリーム色。傘の縁は同様に内側に巻き込み、かなり目立つ白い綿毛状の毛で覆われます。シラカンバやダケカンバなどのカバノキ属と共生し、乳液は白色で辛味があります。胞子はカラハツタケより明らかに小型(6.0-7.5×5.0-6.5μm)で、これが確実な識別点となります。
日本ではとてもよく知られたマツ林のきのこですが、分布が東アジアに限られるので全世界のiNat観察記録はごく僅かです。きのこシーズンの初めに発生するので「初茸」ですね。乳液がゆっくりと青緑色に変色する様子は、初めて見た人はぎょっとするかもしれませんが、古くから各地で食用文化のあるきのこです!
カラハツタケ属の全ての種は外生菌根菌として、特定の樹木と共生関係を結んでいます。菌糸は樹木の細根を包み込んで菌根を形成し、菌から植物へは水分や無機栄養素を、植物から菌へは光合成産物(糖類)を交換する相利共生の関係にあります。
多くの種は特定の樹木属や種に対する高い宿主特異性を示します。例えば、カラハツタケとシロカラハツタケはカバノキ属、チョウジチチタケはコナラ属、アカハツモドキはトウヒ属といった具合です。この特異性は、野外での同定において重要な手がかりとなるので、樹木の同定力も鍛えましょう!
野外での簡易同定法:チチタケ属が2つに分かれてしまったので、まずはチチタケ、ヒロハチチタケ、クロチチダマシ、ツチカブリ、ケシロハツなどよく見るチチタケ属の種を除外して、属レベルまでの同定を確実にしましょう!その後の経過は以下の通りです:①まず共生樹木を確認(カバノキ?コナラ属?針葉樹?)→②乳液の色をチェック(白?橙?赤?)→③乳液の変色を観察(変わらない?緑変?黒変?)→④傘表面の質感(粘性?乾燥?毛羽立ち?)→⑤味を確認(注意:少量を舌先で!辛い?苦い?穏やか?)→⑥特徴的な香りがあるか。この手順で亜属レベル、さらには種レベルまで絞り込めることが多いです!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。