🗓️ 最終更新日: 2025-05-28
- 透明〜白色のゼラチン質の子実体で、触るとプルプル!水っぽい質感です💧
- 子実体内に白色の鉱物性封入物(ミネラルインクルージョン)(正体は蓚酸カルシウムの結晶)が肉眼で見えるのが最大の特徴✨
- 広葉樹の枯死した枝や幹に発生する腐朽菌で、特に倒木や枯枝をひっくり返した湿った下面によく見つかります🌳
- 最初は膿疱状ですが、成長すると融合して脳のような形になります🧠
- 顕微鏡で見るとミクサリウム型(myxarioid)の担子器(隔壁があり、無核の柄細胞を持つ)が決め手🔍
- 担子胞子はソーセージ形で、平滑薄壁です
- 世界的には主に秋から冬にかけて、雨期の後に発生することが多いようです🍂
- 乾燥すると薄いニス状の膜になって基質に張り付きますが、結晶はそのまま残るので意外と分かりやすいです
Myxarium属は「膠質菌」と呼ばれる担子菌の一群で、その名の通りプルプルとしたゼラチン質の子実体を作ります。最大の特徴は、透明な子実体の中に白い粒(蓚酸カルシウムの結晶)が含まれること!1833年にドイツの菌類学者ウォルロスによって記載されましたが、長い間Exidia属と混同されていました。現在は別の科に分類されています。
Myxarium属は担子菌門・ハラタケ亜門・ハラタケ綱・キクラゲ目(Auriculariales)・ヒアロリア科(Hyaloriaceae)に属します。多くの研究者によってExidia属のシノニムとして扱われてきました。
転機は1966年、オランダの菌類学者M.A. Donkがこの仲間の担子器の独特の形態的特徴に着目し、属として復活させたことです。2000年代以降のDNA配列解析により、Myxarium属はExidia属とは明確に異なる単系統群を形成することが確認され、現在の分類学的位置が確立しました。
属の基準種で、白色の鉱物性封入物が最も顕著に見える種。子実体は最初は散在する膿疱状ですが、成長すると融合して脳状になり、最大6cmに達します。無色〜白色透明ですが、時に淡紫色や桃色を帯びることも。近年の研究で、従来この名前で呼ばれていたものは実は複数種からなることが判明しています。
より黄褐色〜褐色の子実体を形成し、若い標本では鉱物封入物が目立たないのが特徴。担子胞子がM. nucleatumよりやや大きく(9-16.5 × 4-6 μm)、ヨーロッパに広く分布します。古い融合標本では鉱物封入物が見えることもありますが、一般的にはM. nucleatumほど顕著ではないといいます。
ポプラとヤナギに特化して発生する種で、肉眼で見える鉱物封入物を持たないのが大きな特徴。北欧地域で記録されており、宿主選好性が高いことから独立種として認識されています。形態的にはM. nucleatumに似ていますが、生態的ニッチが明確に異なります。
北欧で発見された種で、肉眼で見える鉱物封入物がない点でM. populinumに似ていますが、より広範な宿主に発生します。付着したままの枝や樹皮の裂け目によく発生。種小名は「シナモン色を帯びた」という意味ですが、実際の色調は変異があります。DNA解析によりM. nucleatum複合種から分離されました。
Myxarium属のきのこは全て腐朽菌として機能し、枯死した広葉樹の材を分解します。特に樹木の陰になった下面に好んで発生し、しばしば古い核菌類の子実体上に見つかることもあります。
興味深いことに、Myxarium nucleatumの子実体はZygogloea gemelliparaというキクラゲ型寄生菌の宿主となることがあります。この寄生菌は宿主の菌糸につる状の吸器を通じて付着し、栄養を横取りします。また、Tremella danicaという別の膠質菌がMyxariumの子実体内部で成長するという報告もあり、複雑な菌類間相互作用の存在が示唆されています。
フィールド同定のコツ:透明なゼリー状の子実体に白い粒々が見えたらMyxarium属の可能性大!ただしExidia属(より不透明でしばしば脳みそ状)やTremella属(鉱物封入物なし)、その他似た膠質菌との区別に注意。全く異なる系統(サビキン亜門)のHelicogloea属とも雰囲気が似ています。やはり顕微鏡で担子器の柄細胞を確認するのが確実です。日本で頻繁に見られるのは、担子器がごく小さくて目立たない、柄細胞も明瞭でない(おそらく)未記載種。顕微鏡観察の時には基質のかけらがプレパラートに入り込まないように、薄皮を剥ぐような慎重さが求められます…!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。