🗓️ 最終更新日: 2025-06-29
- 子実体は球形〜類球形で、半地下生菌として発生することも🍄
- 殻皮(外皮)は1層のみで、他の腹菌類より単純な構造です✨
- 担子胞子の表面の模様には3つのタイプ:針状突起型・網目状隆起型・針網混在型があります🔍
- 成熟すると頂部から不規則に裂開し、暗色の粉状胞子塊を放出します
- 多くの種が外生菌根菌として樹木(特にブナ科・マツ科)と共生します🌲
- 一部の種は有毒で、摂取すると嘔吐・下痢などの消化器症状を起こします⚠️
- 日本産は13種以上が知られ、世界では25種以上が記録されています🌏
ニセショウロ属は腹菌類の一グループで、球形の子実体から「アースボール(earthball)」とも呼ばれます。名前の通り、同じ腹菌類に含まれるショウロに似ていますが、系統的には全く異なり、多くの種が有毒である点も異なります。殻皮が1層という単純な構造ながら、担子胞子の表面装飾には驚くべき多様性があり、これが種の識別の決め手となります。他の腹菌類に見られることがある弾糸は持ちません。
ニセショウロ属は担子菌門・ハラタケ綱(Agaricomycetes)・イグチ目(Boletales)・ニセショウロ科(Sclerodermataceae)に属します。分子系統解析により、見た目が全く異なり、傘と管孔と柄を持つイグチ類と近縁であることが判明しています。確かに子実体の模様や質感が似ているかも…?
Guzmán (1970)による形態分類では、担子胞子の表面構造とクランプ結合の有無により3つの節に分けられます:Aculeatispora節(針状突起型・クランプ極少)、Scleroderma節(網目状隆起型・クランプ有)、Sclerangium節(針網混在型・クランプ中程度)。最新の分子系統解析でも、この分類は概ね支持されています。
属内で最も観察記録が多い種(世界で約31,800件)。殻皮は厚く頑丈で、表面は黄褐色〜褐色。英名「Common Earthball」の通り、欧米では最も普通種です。網目状隆起型の担子胞子を持ち、多様な樹種と菌根を形成。ヨーロッパでは本種に寄生するタマノリイグチの仲間、Xerocomus parasiticusが知られていますが、日本では未発見です。
観察記録数約4,600件で、見た目がタマネギに似ることが名前の由来。殻皮は薄く(約1mm)、表面を擦ると急速に赤変するのが特徴。針状突起型の担子胞子を持ち、主に広葉樹と共生します。有毒種として知られ、摂取すると30分〜数時間で嘔吐・下痢・腹痛を引き起こします。
観察記録数約4,500件。最大の特徴は成熟すると星形に裂開すること!ニセショウロ属ではかなり大型の種で、直径12-15cmに達することも。種小名の「多くの根」の通り、多数の根状菌糸束を持ちます。針網混在型の担子胞子が特徴。中国では伝統医学で止血剤として使用されてきた歴史も。「ツチグリニセショウロ」は本種の別名です。
小型の子実体(直径1-4cm)で、主にヨーロッパに分布。観察記録数約2,300件。殻皮表面に小さな鱗片状の模様(areolate pattern)があるのが特徴的。針状突起型の担子胞子は11-16μmとやや大型で、突起も高さ1.5-2.5μmと高め。ブナ科などの広葉樹や針葉樹と共生します。
観察記録数約1,100件。属の基準種です。明確な柄を持つことが特徴で、表面にザラザラした小鱗片が発達。針状突起型の担子胞子を持ち、菌糸にクランプを欠きます。人の居住地域(庭園、公園)に稀に見られ、広葉樹林下に群生〜叢生します。
ニセショウロ属のきのこは、ほぼ全種が外生菌根菌として樹木と共生関係を結んでいます。ブナ科(カシ、シイ、ナラ)やマツ科など、幅広い樹種と共生可能で、特にニセショウロは遷移の初期に先駆種として、鉱山廃棄物などの荒廃地でも急速に定着できる能力を持っています。
発生時期は初夏から晩秋と長期にわたりますが、最盛期は秋〜晩秋です。夏には殻皮の薄い種が多く、殻皮の厚い種は秋に多い傾向があるといいます。世界中に分布していますが、種によって分布域が異なり、熱帯地域には固有種も。
同定のポイント:形態的によく似た種が多く、成熟度でも印象ががらっと変わるので、肉眼だけでの同定は非常に難しいグループです!迷ったら「ニセショウロ属の一種」で留めておくのが無難かも…。最低限、ホコリタケ属との混同に注意しましょう(ニセショウロ属は頂部に孔がない)!種まで頑張って同定したい場合は顕微鏡が必須です。まず担子胞子の表面構造を確認!針状突起型・網目状隆起型・針網混在型のどれかで大きく絞り込めます。次に殻皮の厚さ・色・変色性、偽柄と根状菌糸束の有無、裂開様式を観察。最終的には顕微鏡で担子胞子のサイズと装飾の詳細、クランプの有無(節レベルの識別形質)を確認すれば、同定に必要な情報が集まっているはずです…!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。