🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 子実体はゼラチン質で、触るとプルプルしていて、乾燥すると硬くなる特徴があります💧
- 形状は属によって異なり、耳状・棚状(キクラゲ属)、ボタン状・杯状(ヒメキクラゲ属)、背着生(Exidiopsis属)など多様です
- 全種が木材腐朽菌で、枯れ木や倒木に発生し、白色腐朽を引き起こします🪵
- キクラゲ属は横に隔壁を持つ担子器、他の属は縦に十字型の隔壁を持つ担子器、という顕微鏡的な違いがあります🔬
- これだけ顕微鏡的な形態(それも担子器のような重要な分類形質)がはっきり違うのに、同じ科に含まれているのは驚きです…!
- 胞子はソーセージ形または円筒形で、無色で大型(最大22μm)なのが特徴です✨
- 世界で約100種・15属が知られ、キクラゲ、アラゲキクラゲなど食用きのことして重要な種も含まれています🍄
- 乾燥に強く、乾くとくしゃっと縮まって硬くなりますが、水を含むと元に戻る能力があります
キクラゲ科は木材腐朽菌のグループで、膠質菌と総称されるゼリーのような質感のきのこの代表的な菌群です。水分を含むとプルプルとしたゼラチン質になるのが最大の特徴です。代表的なキクラゲやアラゲキクラゲは中華料理でもお馴染みです!実は世界中の枯れ木で重要な分解者として活躍しています。乾燥すると硬くなりますが、雨が降ると再びゼラチン質に戻る面白い性質を持っています。
キクラゲ科(Auriculariaceae)は担子菌門・ハラタケ亜門・ハラタケ綱・キクラゲ目に属します。かつてはシロキクラゲ、アカキクラゲの「膠質菌」仲間とともに、「異型担子菌類」と呼ばれる雑多で人為的なグループに含まれていましたが、現在の分子系統解析によってキクラゲ目の中の単系統群として確立されました。
最新の研究では複数の遺伝子マーカーを用いた分子系統学的研究により、従来の形態分類の多くが見直されています。Heterocorticium、Alloexidiopsis、Amphistereum、Sclerotrema、Grammatusなどの新属が確立され、多くの種が再分類されています。キクラゲ属(Auricularia)は5つの形態学的複合体に分けられることも判明しました。
本科で最も普通に見られる属(iNat観察記録約9万件)。耳状または棚状の薄いゼラチン質子実体を形成し、褐色から黒褐色。上面は細かい毛状、あるいは密に毛羽立ち、下面(子実層面)は平滑〜網目状。顕微鏡的には横に隔壁を持つ円筒形の担子器が特徴的。種同定はしばしば困難で、顕微鏡的な層状構造の精密な観察が不可欠です…。日本で「キクラゲ」「アラゲキクラゲ」などとよばれてきた種は、対応する学名の種とは別種であることが明らかになってきました。
2番目に観察記録が多い属(約5万5千件)。花弁状、ボタン状、杯状など多様な形態のゼラチン質子実体を形成。一部の種(基準種のヒメキクラゲを含む)は子実層面に乳頭状突起を持ち、ルーペで観察できます。顕微鏡的には縦に隔壁を持つ楕円形の担子器(シロキクラゲ型担子器)が特徴。最近の研究ではツブキクラゲ属(Tremellochaete)との境界が不明瞭であることが示唆されています。
3番目に観察記録が多い属(約3千件)。やはりゼラチン質のきのこで、基質に密着して広がります。表面は平滑または微細にしわがある程度。最近の分子系統解析により多系統であることが判明し、Alloexidiopsisなどの新属が確立されました。多くの種はまだ詳細に研究されておらず、分類の再編が進行中です。
ムカシオオミダレタケ属(Elmerina)は子実層面が管孔状、ツブキクラゲ属(Tremellochaete)はヒメキクラゲ属類似、オロシタケ属(Heterochaete)は硬質の背着生で「おろし金」のような特徴的な突起を持つ…など、多様な形態を示す属が含まれます。Amphistereum、Protodontia、Pseudostypellaなどの稀少な属も知られていますが、観察記録は非常に少ないです。
キクラゲ科は全種が腐生菌で、枯れ木や倒木を分解し、森林生態系の物質循環に重要な役割を果たしています。これは同じ膠質菌で担子器が類似するシロキクラゲの仲間が菌寄生菌であるのと対照的です。
多くの種は広葉樹や針葉樹の様々な樹種を利用しますが、一部の種は特定の基質を好みます。例えば、Auricularia delicataはハンノキ属やコナラ属を好み、ヒダキクラゲはケヤキの木にしばしば大発生。アジアの一部の種は竹を基質とします。温帯から熱帯まで世界的に分布し、特に湿潤な環境で活発に成長します。
野外での同定法:関東の里山で日常的に見かけるのはキクラゲ、アラゲキクラゲ、ヒメキクラゲ、タマキクラゲ、オロシタケあたりです。キクラゲとアラゲキクラゲは毛の有無ではっきり区別できることもありますが、非典型的な子実体に遭遇することもしばしば。ヒメキクラゲとタマキクラゲは同じヒメキクラゲ属ですが、湿っている時はかなり異なる形態です。雨の後に観察するのがよいでしょう。オロシタケはルーペでじっくり観察し、カワタケ属(Peniophora)などコウヤクタケ類との混同に注意しましょうね…♪ムカシオオミダレタケは滅多に見られない珍菌です!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。