🗓️ 最終更新日: 2025-05-26
- ベニタケ目に属しながら形態は驚くほど多様!珊瑚状、歯牙状、襞状など様々です🌿
- 共通の特徴はアミロイド反応陽性の胞子を持つこと(ヨード液で青く染まります)🔍
- マツカサタケ属は針葉樹の松ぼっくりという特殊な基質に生えるきのこ!🌲
- フサヒメホウキタケ属は枝の先が王冠状になる美しい珊瑚形のきのこです👑
- ミミナミハタケ属は襞の縁がギザギザで、特徴的なアニス臭を持ちます✨
- 分子系統解析により、見た目が全く違うのに同じ科だと判明した興味深いグループです💡
- 白色腐朽菌として木材分解に重要な役割を果たしています🍄
マツカサタケ科(Auriscalpiaceae)は、ベニタケ目に属する白色腐朽菌のグループです。分子系統解析によって定義された科で、形態的には極めて多様!珊瑚状のフサヒメホウキタケ、松ぼっくりに生える歯状のマツカサタケ、ギザギザの襞を持つミミナミハタケなど、見た目は全く違うのに、胞子のアミロイド反応という共通点で繋がっています。まさに『見た目に騙されるな』を体現する科です。
マツカサタケ科は担子菌門・ハラタケ亜門・ハラタケ綱・ベニタケ目(Russulales)に属します。ベニタケやチチタケとは遠い親戚にあたりますが、形態的にはむしろハラタケ目やタマチョレイタケ目の仲間に見えてしまうという、分類学的に興味深いグループです。
この科の確立は比較的新しく、分子系統解析によって初めて、形態的に異なる5つの属(Artomyces、Auriscalpium、Lentinellus、Gloiodon、Dentipratulum)が単系統群を形成することが明らかになりました。これは担子菌類における形態の収斂進化の好例として、進化生物学的にも重要な意味を持っています。
かつてClavicorona属と呼ばれていた美しい珊瑚状のきのこ。最大の特徴は枝先が王冠状になること!中央が窪んで周囲に3-6個の尖った突起があり、まるで小さな王冠が無数に並んでいるようです。高さ4-10cm、クリーム色~淡黄色で、広葉樹の朽木に発生します。北半球の温帯に広く分布し、観察記録も多い人気者です。
世界でも珍しい松ぼっくり専門のきのこ!小さな傘(直径0.5-2cm)の裏に歯状の針があり、柄は側生で茶色の毛で覆われています。レアなきのこなので見つけたらラッキーですね…。最近の研究でA. vulgare複合種は少なくとも3つの系統種に分かれることが判明。グレオシスチジアという特殊な細胞を持ち、胞子は3.5-6μmでアミロイド反応陽性です。
一見普通のきのこに見えますが、襞の縁がギザギザなのが最大の特徴!さらにアニスの香り(八角のような甘い香り)を持つ種が多く、味は辛味があることも。傘は2-5cm、茶色~栗色で、複数の子実体が基部で融合することがあります。胞子は微細な刺状装飾を持ち、やはりアミロイド反応陽性。世界中の広葉樹朽木に分布します。
半背着生(基質に半分くっついた形)の歯牙状子実層面を持つ地味な存在。代表種のG. strigosusは広葉樹朽木上に発生し、2菌糸型の菌糸構成と粘管菌糸という特殊な構造を持ちます。ユーラシアと北米に分布しますが、観察記録は少なめ。顕微鏡観察が同定には必須です。
マツカサタケ科で唯一完全に背着生(基質にべったり張り付く)の形態を持つ希少な属。長らく1種だけと思われていましたが、2017年の研究で3種に!スルフォシスチジアという特殊な細胞を持つのが決定的な特徴。SEM観察による胞子装飾の違いで種を区別します。iNat観察記録はまだゼロ…見つけたら大発見です!
マツカサタケ科の仲間は形は様々でも、全て白色腐朽菌として、森林生態系で重要な分解者の役割を担っています。木材中のリグニンとセルロースの両方を分解できる優れた能力を持ち、倒木や枯れ枝を土に還す大切な仕事をしています。
興味深いのは基質の選好性の違いです。マツカサタケ属は針葉樹の松ぼっくりという極めて特殊な基質を選び、他の属は主に広葉樹の朽木を好みます。この性質は、それぞれの種が持つ酵素系の違いを反映していると考えられていますが、謎の多い性質です…。
野外での見分け方:①まず基質を確認(松ぼっくり→マツカサタケ属で決まり!)②子実体の形(珊瑚状→フサヒメホウキタケ属、襞あり→ミミナミハタケ属、歯牙状→その他)③可能なら臭いを確認(アニス臭→ミミナミハタケ属の可能性大)④確実な同定には顕微鏡でアミロイド反応をチェック!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。