🗓️ 最終更新日: 2025-05-31
- 枝分かれしないか、あるいは珊瑚状に枝分かれする子実体を形成し、比較的小型なきのこです🍄
- 色は白色・クリーム色・灰色・紫色など多様で、種の識別ポイントになります🎨
- 顕微鏡で見ると2本の小柄を持つ担子器が特徴的(多くのきのこは4本)🔍
- 枝の先端は鶏冠(とさか)状・鈍頭・鋭頭など種により異なります✨
- 表面が皺状(rugose)になる種(カレエダタケモドキ)もあり、重要な識別点です
- 外生菌根菌として針葉樹や広葉樹と共生し、森林の地上に発生します🌲
- 寄生菌(Helminthosphaeria)の感染を受けると黒く変色することがあります⚠️
- 類似の珊瑚状きのこと違い、胞子紋は白色で胞子は平滑・球形〜広楕円形。大きな油滴をしばしば含みます
カレエダタケ属(Clavulina)は、珊瑚のように美しく枝分かれする小型のきのこたちです。担子菌門(Basidiomycota)・ハラタケ綱(Agaricomycetes)・アンズタケ目(Cantharellales)・カノシタ科(Hydnaceae)に属し、森林の地上から発生する外生菌根菌として重要な役割を果たしています。際立った特徴は、多くのきのこが4本の小柄を持つのに対し、本属は2本しか持たないこと!世界中に分布し、特に熱帯地域で高い多様性を誇ります。
カレエダタケ属は以前は独立したカレエダタケ科(Clavulinaceae)として扱われていましたが、分子系統解析により現在の分類に落ち着きました。
本属はMembranomyces属と共に「Clavulina-Membranomyces系統群」という単系統群を形成し、外生菌根性のグループとして認識されています。複数遺伝子マーカーを用いた分子系統解析により、形態的に多様な種(背着生の形態を持つものまで!)が本属に含まれることが判明。世界で約45-90種が知られ、特に熱帯地域から続々と新種が報告されています。
本属で最も普通に見られる種で、北半球温帯に広く分布。高さ3-8cm、白色〜クリーム色で3-4回枝分かれします。最大の特徴は枝先が鶏冠状(cristate)になること!小さな突起が複数並んで鶏冠のような形になります。古い個体では先端が褐色に変色することも。担子胞子は7-9×6-7.5μmの球形〜広楕円形。かつてC. cristataと呼ばれていましたが、命名規約により現在の学名が優先されます。
高さ4-12cmとやや大型で、分岐が少ないか全くないのが特徴。白色〜クリーム色で、時に黄色味を帯びます。学名の由来となった皺状の表面が最大の識別点!鹿の角のような形になることもあり、先端は鈍いか時に冠状。北半球温帯に広く分布し、本家カレエダタケと混生することもあります。
灰色〜紫灰色の美しい色調が特徴的な種。多数分岐し、しばしば基部から上部にかけてグラデーションをなします。海外では寄生菌Helminthosphaeria clavariarumに感染すると基部から黒く変色することがあり、これも同定の手がかりになるようです。北半球温帯に分布し、時に大群生することも。2胞子性の担子器と球形~広楕円形の担子胞子を持ちます。
主に北米に分布する紫色の美しい種で、和名があることからも推測できる通り、日本からも記録されています。ヨーロッパのC. amethystinaに似ていますが、別種として扱われています。複数回分岐し、平滑な表面を持つ点で他種と区別できます。観察記録は少ないものの、その鮮やかな色彩から愛好家に人気の種です。
カレエダタケ属のきのこは全て外生菌根菌で、様々な樹木と共生関係を結んでいます。針葉樹(マツ科など)や広葉樹(ブナ科など)と菌根を形成し、植物に窒素やリンなどの栄養素を供給する代わりに、光合成産物をもらって生きています。
森林生態系の栄養循環において極めて重要な役割を果たし、特に窒素制限環境(C:N比が高い土壌)での植物の生存戦略に貢献。熱帯地域ではDicymbe属(マメ科)などの特定樹種と強い関連を示し、温帯では様々な樹種と共生します。雨季の初期に発生することが多く、時に大群生することも。
現場での見分け方:まずは混同されやすいシロソウメンタケ属を可能な限り除外します。黄色、桃色であればカレエダタケ属ではなくそちらの可能性が高いです。また、水っぽい肉質もカレエダタケ属共通の特徴の一つ。シロソウメンタケ属菌は割とポキっと折れます。属内の識別では、まず色が重要です(白系→カレエダタケorモドキ、灰色系→ハイイロ、紫系→ムラサキホウキタケモドキなど)。次に枝分かれの程度を観察(多い→カレエダタケorハイイロ、少ない→モドキ)。さらにルーペで枝先の形状を確認(鶏冠状→カレエダタケ、鈍頭→モドキ)。表面性状もチェック(皺あり→モドキ、平滑→その他)。顕微鏡があれば球形の担子胞子の大きな油滴を確認すると、さらに確実です!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。