🗓️ 最終更新日: 2025-08-15
- 単純な棍棒形または珊瑚状に分枝した子実体で、極めて脆い質感が特徴です🍄
- 色は白色・灰色・紫色など多様で、密集して発生することが多いです✨
- 顕微鏡で見ると菌糸が膨らんでクランプ結合を欠くのが特徴です💫
- 担子器は2〜4胞子性で、胞子紋は白色、胞子は平滑または刺状です🔍
- 古い草地や森林の落葉上に発生し、腐生菌として有機物を分解します🌿
- ヨーロッパの草地の環境指標きのこ類を総称した「CHEGシステム」の「C」にあたるのが本属を含むクラバリオイド菌類で、保全上重要です📊
- 鉄塩での変色反応など、種によって特異的な呈色反応を示すものがあります⚗️
- DNA解析により分類が大きく見直され、最新の論文では54種以上が世界から知られています🌏
シロソウメンタケ属(Clavaria)は、その名の通り白いそうめんのような単純な形から、美しく枝分かれした珊瑚状まで多様な形態を示す担子菌の仲間です。最大の特徴は「極めて脆い」ことで、触れただけで簡単に折れてしまいます。古くは1727年にVaillantにより提唱された歴史ある属で、かつては棍棒状のきのこ全般を含む大きなグループでしたが、現在は限定的な概念となっています。担子器基部のクランプ有無により、さらにHolocoryne亜属とSyncoryne亜属に分類されます。
シロソウメンタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・シロソウメンタケ科(Clavariaceae)に属します。19世紀後半から20世紀前半にかけて顕微鏡の使用により子嚢菌類のメンバーが別属に移行され、Cornerが1950年に世界的な総説を発表するまでは、多くの似た形の担子菌類が本属に含まれていました。
近年のDNA配列解析により、Cornerのシロソウメンタケ科の概念は基本的に正しいことが確認されましたが、その範囲はClavaria、Clavulinopsis、Ramariopsisに加え、傘と襞を持つハラタケ型のきのこ、針状のきのこ、コウヤクタケ類といった多様な形態の属を含むまでに拡大されています。シロソウメンタケ属の近年の研究では、/Clavaria sensu strictoクレードと/fumosaクレードを含む8つの主要クレードに分かれることが明らかになりました(Yan et al., 2022; Yan et al., 2025)。
属の基準種で、iNat観察記録数は圧倒的1位(約1万件)!不規則な円筒形の白色子実体を持ち、高さ15cmに達することもあります。密集して群生するのが特徴で、先端は尖り、のちに黄色を帯びます。胞子は楕円形から長楕円形。森林の落葉中や古い未改良草地に発生し、北半球の温帯地域に広く分布します。枝分かれする変種の「シロソウメンタケモドキ」も存在します。
iNat観察記録約5,600件で属内2位。紫色から帯桃紫色の美しい枝分かれした子実体を持ちます。枝の先端は丸みを帯びて褐色になります。色の変異が大きく、すみれ色からアメジスト色まで様々。胞子は類球形~広楕円形で、明確な小突起を持ちます。半自然草地に依存し、生息地の減少により保全上の懸念があります。北米と中国北部に分布するとされ(Yan et al., 2025)、中国南部産のものは別種とされたので、日本産のものも再検討が必要と思われます。
iNat観察記録約2,000件で属内3位。白色から灰色、黄色、桃色など多様な色の、棍棒形のきのこです。密集した集まりをなし、先端付近で稀に分岐。最大の特徴は鉄塩で緑色に呈色すること。胞子は楕円形から種形。北米東部を中心に分布し、西海岸やイギリスからの観察記録も多いです。林内の草やコケの生えた場所に、夏から秋に発生します。
シロソウメンタケ属のほとんどの種は腐生菌として、森林の落葉や古い草地の死んだ草などの有機物を分解して生きています。しかし最新の炭素・窒素安定同位体比の測定により、木材に生育しない多くの種が生物栄養型の栄養戦略を持つ可能性が示唆され、植物との何らかの相互作用を持つ可能性も考えられています。
ヨーロッパでは主に古い苔むした未改良草地(農業目的で使用されていない草地)に典型的に見られ、CHEGシステムの一角として保全上重要な指標種の役割を果たしています。西欧では過去75年間で90%の生息地損失があったと推定され、一部の国では絶滅危惧種リストに掲載される種もあります。
実用的な同定の流れ:①まず子実体の形態(単純か枝分かれか)と色を確認(真っ赤ならすぐにベニセンコウタケと分かる) →②群生の密度と脆さをチェック →③生育環境(草地か森林か)を記録 →④可能なら鉄塩での変色反応を試す →⑤確実な同定には顕微鏡で担子器のクランプ結合の有無と胞子のサイズ・装飾を観察。似た属との区別には顕微鏡観察が必須です!カレエダタケ属のきのことはしばしば類似しますが、質感が異なります。シロソウメンタケ属の方が表面がしっとりしておらず、乾燥している印象があります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。