🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 褐色の胞子紋を持つ、主に木材上に生える小型のきのこの仲間です🍄
- 多くは貝殻状~扇形で、柄が短いか無い側生の子実体を形成します(チャヒラタケ属)
- 子実体は白色~淡褐色が多いですが、成熟すると襞が褐色に変化します✨
- 顕微鏡で見ると、胞子に発芽孔(germ pore)が無いのが決定的な特徴です🔍
- ビロードムクエタケ属は例外的に中心生の柄を持ち、オリーブ色を帯びます
- 腐生菌として枯木や倒木を分解し、森林の物質循環に貢献しています🌲
- 分子系統解析により2000年代に再定義された比較的新しい科です📚
チャヒラタケ科は、ハラタケ目に属する暗色の胞子で特徴づけられるきのこのグループです。多くは倒木や枯枝に側生する小型の貝殻状~扇形の子実体を作り、成熟すると襞が褐色になるのが特徴。かつては形態的に似た種がバラバラの科に分類されていましたが、DNA解析により単系統群であることが判明し、現在の科として再定義されました。
チャヒラタケ科は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ハラタケ亜目に属します。Singerの時代には5つの属(Crepidotus、Simocybe、Pleurotellus、Tubaria、Melanomphalia)を含むとされていましたが、核リボソームDNA大サブユニット(LSU)の配列解析により大幅に再編されました。
現在のチャヒラタケ科(狭義)はCrepidotusとSimocybeを中心とする単系統群で、PleurotellusはCrepidotusに統合されました。一方、Tubariaはモエギタケ科、Melanomphaliaは明色胞子性のきのこから独立に褐色胞子を獲得した系統と判明し、本科から除外されました。最新の研究ではNeopaxillus(かつてイグチ目)も本科に含まれることが示されています。
本科で最も種数が多く、世界中に分布する属。小型の貝殻状~扇形で、柄は短いか欠如。白色~淡褐色の傘を持ち、襞は成熟すると褐色に。胞子は球形~楕円形で、種により平滑~装飾あり。肉眼での種までの同定はしばしば困難で、胞子の形状が有用な情報です。縁シスチジアの形態(棍棒形、円筒形など)も種の識別に重要。木材腐朽菌として枯木や倒木に生育し、一部の種は特定の樹種を好みます。
オリーブ色を帯びた子実体と中心生~偏心生の柄を持つのが特徴で、この点でチャヒラタケ属とは明確に区別できます。単生することが多く、目立たず知名度も低いグループですが意外と目にする機会が多いです。胞子は卵形~腎臓形で顕著に色づき、表皮は特殊な構造をとります。主に木材上に生育しますが、稀に地上でも見つかります。
アメリカとアジアに分布する属で、明るい黄色~橙色の貝殻状子実体が特徴的。側生で柄を欠き、褐色胞子は微細な装飾を持ちます。鮮やかな色彩はチャヒラタケ科の中では異色の存在です。主に熱帯~亜熱帯の木材上に生育するようですが、管理人は長野の戸隠でそれらしきものを見たことが…
元はイグチ目に分類されていましたが、分子系統解析で本科へ移動した興味深い属。完全に中心生の柄を持ち、地上生という点で他属と大きく異なります。褐色胞子は著しい装飾を持つのが特徴。観察記録は少なく、生態の詳細は不明な点が多い謎めいた属です。
チャヒラタケ科のきのこは主に腐生菌として、枯死した木材や植物残渣を分解する二次分解者の役割を担っています。森林生態系の炭素循環において重要な位置を占め、セルロースやヘミセルロース、一部の種ではリグニンも分解できます。
多くの種は広葉樹の枯木を好みますが、Crepidotus piniのようにマツ属を専門とする種もいます。興味深いことに、一部のCrepidotus属は生きた草本植物の茎や葉にも生育することが報告されています。
野外での見つけ方:倒木や枯枝の下側や側面を丁寧に観察しましょう。小さな貝殻状のきのこを見つけたら、①襞の色(若い時は白~クリーム色、成熟すると褐色)②柄の有無と位置(側生か中心生か)③全体の色調(オリーブ色ならSimocybeの可能性)をチェック。胞子紋を採って褐色なら本科の可能性大!顕微鏡観察では発芽孔の欠如が有用な情報です。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。