🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 子実体は全体的に大型。無柄または半背着生で、革質から堅い木質、一年生または多年生です🍄
- 子実層面は白色から褐色または桃色の管孔状で、小さく規則的な孔口が特徴的✨
- 顕微鏡で見ると2菌糸型で、生殖菌糸にはクランプがあります🔍
- 担子胞子は無色・薄壁・平滑で、球形から円筒形です
- 褐色腐朽菌として木材のセルロースを分解し、特徴的な立方体状の腐朽を引き起こします🪵
- 以前は別属だったカンバタケやホウロクタケも、分子系統解析により本属に統合されました📚
- 種によって宿主選好性があり、カンバタケはカバノキ属限定、ホウロクタケは主にコナラ属に発生します🌲
- 北半球の温帯林を中心に分布し、現在128種が本属に含まれています🌏
ツガサルノコシカケ属は、硬くて多年生の子実体を作る代表的なサルノコシカケ類の一グループです。最新の研究で大幅に再分類され、かつて別属とされていたカンバタケやホウロクタケなど、たくさんの属が本属に統合されて、総勢128種の大きな属となりました(Spirin et al., 2024)。褐色腐朽菌として木材のセルロースを分解し、森林生態系で重要な役割を果たしています。種によって宿主の好みがはっきりしているのも特徴的で、同定の重要な手がかりになります。
ツガサルノコシカケ属(Fomitopsis)は担子菌門・ハラタケ綱・タマチョレイタケ目・ツガサルノコシカケ科に属します。この属はantrodiaクレードと呼ばれる褐色腐朽菌の系統群に含まれ、同科内ではAnthoporia属およびAntrodia属と共に3つの主要な属の一つとして位置づけられています。
分類学的には激動の歴史を辿っており、2024年には複数遺伝子データに基づく分子系統解析により、ホウロクタケ属(Daedalea)、Melanoporia属、Buglossoporus属、カンバタケ属(Piptoporus)として扱われていた多くの種が本属に統合されました。特筆すべきは、カンバタケ(旧Piptoporus betulinus)とホウロクタケ(旧Daedalea quercina)の転属です。この結果として、形態がかなり異なる種も本属に同居することになり、分かりやすい共通点はあまり見られなくなってしまいました。本属は伝統的には3菌糸型で特徴づけられてきましたが、現在はそれ以外の種も含まれています。
本属の代表種で、多年生の蹄形子実体は幅30cm、厚さ15cmにも達します。若い時は橙色から黄色で白い縁を持ち、成熟すると暗赤褐色に変化。特に縁が白いところが識別ポイントです!針葉樹や広葉樹の立木・倒木に広く発生し、実は4つ以上の隠蔽種を含む複合種であることが判明しています。担子胞子は4-6×2-3.5μmの円筒形。
以前はPiptoporus betulinusとして独立属でしたが、現在は本属に含まれます。一年生で白色から褐色の子実体を形成し、カバノキ属(シラカンバなど)限定で発生する宿主選好性が顕著。特徴的な平滑な縁を持ち、まるでパンみたいな見た目…!担子胞子は6-8×3-4μmとやや大型。北半球に広く分布し、伝統的に薬用として利用されてきた歴史があります。
旧ホウロクタケ属(Daedalea)。無柄扇形で直径3-20cm、厚さ8cmまで成長。最大の特徴は迷路状(daedaloid)から板状の子実層で、時に放射状に発達して襞のように見えることも。主にコナラ属の枯死材に発生しますが、他の広葉樹でも見られます。ヨーロッパを中心に、アフリカ北部、北米、アジア、オーストラリアまで広く分布し、関東の里山でもごく普通に見られます。実は本種も複合種で、17の異なる系統が含まれるとか…。
その名の通り桃色から褐色がかった桃色の子実層面が美しい種。多年生で堅いコルク質から木質の子実体を形成します。主に針葉樹(特にトウヒ属)の枯死材に発生します。担子胞子は5.5-7.5×2-2.5μmの円筒形から卵形。北欧では絶滅危惧種に指定されています。関東の里山からも散発的に記録されています。
ツガサルノコシカケ複合種の一員で、北米固有種。外見はツガサルノコシカケに酷似しますが、分子系統解析により独立種として認識されました。孔口は3-5個/mmで、担子胞子の形態と大きさが識別の鍵。北米の針葉樹や広葉樹に発生し、地理的分布と宿主選好性により区別されます。
ツガサルノコシカケ属のきのこは全て褐色腐朽菌として機能し、木材中のセルロースを選択的に分解します。リグニンは比較的未分解のまま残るため、腐朽した木材は特徴的な立方体状に崩れ、褐色を呈します。この分解様式は白色腐朽とは対照的で、森林生態系における炭素循環に独特の役割を果たしています。
生息環境は主に針葉樹や広葉樹の立木・倒木で、種によって明確な宿主選好性を示します。カンバタケはカバノキ属限定、ホウロクタケは主にコナラ属、バライロサルノコシカケは針葉樹(特にトウヒ属)という具合に、それぞれが特定の樹種と密接な関係を持っています。
実用的な同定の流れ:属としての共通の形態学的特徴は最新の属概念ではほぼ存在しないので、覚えやすい種を個別にチェックしていきましょう!関東の里山で圧倒的によく見かけるのはホウロクタケ。時にクジラタケと混同されることもありますが、ホウロクタケの傘上面には、しばしばインクをこぼしたような模様が見られます。また、子実層面の様子や管孔の形(クジラタケは円形に近い)、質感などでも区別されます♪子実層面が桃色という珍しい特徴を見たらバライロサルノコシカケを疑いますが、ホウネンタケと混同しないように!顕微鏡的には骨格菌糸シスチジア(スケレトシスチジア)で特徴づけられる種が多いです。担子器と担子胞子のサイズも測定しましょう!本属はどちらも一般的にあまり大きくありません(担子器25μm以下、担子胞子10μm以下)。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。