🗓️ 最終更新日: 2025-06-15
- 子嚢果は極小の球形~卵形。羊毛状の白色~灰色の毛で覆われています🐑
- 子嚢果の中央部には黒色の孔口があるので、無数の目玉が並んでいるような印象でぞわっとするかも👁
- 主に腐朽した広葉樹の倒木や落枝上に生育し、ひっくり返した裏側から見つかることが多いです🌳
- 子嚢胞子は発達段階で形が変化!若い時は円筒形で無隔壁、成熟するとS字形または膝折状になり、隔壁を多数生じます🐛
- 多くの場合は樹皮が剥がれて腐朽がかなり進んだ材に生息し、木材腐朽菌として森林生態系に貢献します✨
- 分子系統解析により多系統群から単系統群へ再定義され、現在は限られた種のみを含みます📊
- 基準種のL. ovinaはiNat観察記録が圧倒的多数で、日本を含む北半球の温帯地域に広く分布しています🌍
ラシオスフェリア属は腐生性の子嚢菌で、羊毛状の白色~灰色の毛で覆われた小さな子嚢果が特徴です。基準種のL. ovinaを含む本属は、主に北半球温帯地域の森林で腐朽した広葉樹材上に生育します。
ラシオスフェリア属は子嚢菌門・フンタマカビ綱(Sordariomycetes)・フンタマカビ目(Sordariales)・ラシオスフェリア科(Lasiosphaeriaceae)に属します。基準種はL. ovinaです。
長年にわたり本属は多系統群として知られており、最大約50属もの「属」を包含していることが知られていましたが、その後の分子系統解析により、従来の広義のラシオスフェリア属に含まれていた多くの種はEchinosphaeria属、Hilberina属、Immersiella属、Lasiosphaeris属などに再分類されました(Miller & Huhndorf, 2004)。現在の狭義のラシオスフェリア属は、L. ovinaを中心とした単系統群のみを含むように限定されています。本属菌で唯一和名のあったシイノミタケは、現在はRuzenia属に移されています。
本属の基準種で、iNat観察記録最多(約750件)です。その他の本属菌の観察記録が1-3件なのと比較すると、圧倒的といえます…!子嚢果は羊毛状の白色~灰色の毛で覆われ、成熟すると暗色~黒色になります。子嚢胞子は若い時は無色円筒形ですが、成熟するとS字形または膝折状で隔壁を生じるという特徴的な発達パターンを示します。この「膝折状」というのは、あるポイントで子嚢胞子がかくっと曲がることを指し、ラシオスフェリア科にしばしば散見される形態ですが、他の一部の属のように「頭部」が膨らむことはないです。主にヨーロッパブナなどの腐朽材上に生育し、北半球の温帯地域に広く分布しています。関東の里山でも頻繁とまではいかなくても、それなりに見つかる印象です。
ラシオスフェリア属の全ての種は腐生菌として、森林生態系における木材分解過程で重要な役割を果たしています。主に湿った環境の腐朽した広葉樹材上に生育します。
子実体は春から秋にかけて形成され、しばしば複数の子実体が集合して生じます。自然林や古い森林でより多く観察される傾向があり、森林の健全性の指標となる可能性も示唆されています。なお、L. ovinaにはサビキン亜門の菌寄生菌Krieglsteinera lasiosphaeriaeが寄生することがあり、感染した子嚢果には特徴的な有柄の構造が現れます。これも日本で見つかるとよいのですが、管理人は頑張って探しても全然見つけられていないようです…!
実用的な同定のコツ:羊毛状の白い被毛で覆われた0.3-0.6mmの小さな球体を探すのがポイント!慣れれば肉眼でも同定できるようになります!倒木や落枝を丁寧に観察し、ルーペで確認しましょう。子嚢胞子には変異が大きいので、できるだけ多くの発達段階を観察するのがよいでしょう。膝カックンの独特の形状です…!近縁のLasiosphaeris属やEchinosphaeria属との区別には、毛の質感と胞子の形態変化に注目してください。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。