🗓️ 最終更新日: 2025-06-19
- 球形〜洋梨形の、しばしば巨大になる子実体を形成する腹菌類です🍄
- 若い時は内部が白色で均一、成熟すると粉状の胞子塊になります(色は種により異なる)✨
- 外皮は薄く、成熟すると剥がれ落ちて胞子塊が露出します
- 胞子は球形で3-9μm、表面に微細な疣状突起や刺状装飾があります🔍
- ホコリタケ属(Lycoperdon)と違い、頂部に胞子が噴出する孔がないのが決定的な識別点です
- 種により外皮表面は平滑・鱗片状・ピラミッド状の疣など多様な性状を示します
- 成熟したグレバの色も、紫色・黄褐色・オリーブ褐色など種により特徴的です🎨
- セイヨウオニフスベはなんと、直径80cmに達することもある巨大きのこです!
ノウタケ属(Calvatia)は腹菌類の一グループで、球形〜洋梨形の大型子実体を形成します。約60種が温帯地域を中心に分布しています。最大の特徴は、ホコリタケ属と異なり、孔から胞子が煙のように噴出するのではなく、外皮が不規則に裂けて胞子を放出する点です。老成すると外皮がぱりぱりと剥がれるオニフスベのような種がある一方、どろっと腐ってしまう種もあります。本属のきのこはほぼ必ず地上に発生すると言ってよく、朽ち木上に発生するタマノウタケは、ノウタケの名がついてますが、おそらくホコリタケ属と思われます。
ノウタケ属は以前はホコリタケ目(Lycoperdales)に分類されていましたが、分子系統解析により現在はハラタケ目(Agaricales)のホコリタケ科に位置づけられています。ホコリタケ科はLycoperdon、Bovista、Calvatia、Discisedaの4つの主要なクレードからなる単系統群を形成します。
属内にはHippoperdonという節があり、スミレホコリタケやムラサキチドメなど、紫色の胞子を持つ種がこの節に含まれます。
英名「ジャイアント・パフボール」の名で知られる世界最大級のきのこで、iNat観察記録数は圧倒的首位(約17,000件)です(日本のオニフスベは執筆時点で36件…)。直径10〜50cmで最大80cm!重量数キログラムにも達することがあります。ほぼ完全な球形で柄を持たず、表面は若い時は白く平滑です。グレバは白色からオリーブ色、茶色と変化し、胞子には微細な疣状突起を持ちます。主に草原や開けた森林に発生し、時にマツやトウヒの外生菌根菌として機能することもあるといいます。日本では近縁種のオニフスベが同じような環境に時折見られます。
Hippoperdon節の代表種で、成熟した胞子塊が特徴的な紫色〜紫褐色を呈します。子実体は5〜20cmで洋梨形、外皮は白色から小鱗片状に変化し、独特の網目模様をあらわします。種小名の通り「杯状」の無性基部(柄のような部分)が残存するのが特徴。胞子は平滑~刺状で厚い胞子壁に小孔が見られます。北米全域とオーストラリアの草原・牧草地に分布し、日本でも草地で時に見つかります。
属の基準種で和名や「ブレイン・パフボール」の英名通り、脳みそに似た形状が特徴的です。成熟すると外皮に皺や襞が発達した様子はまさに脳みそ…!グレバは黄褐色〜帯緑黄色の粉状になり、太い根状菌糸束で土壌に付着します。しばしば頭部が失われ、無性基部のみが残っているのが見られます。アジア、オーストラリア、北米の開けた林や湿った地域に生育し、関東の里山では頻繁に見られます。実験室条件下では外生菌根を形成することも報告されています。
スミレホコリタケのより小型版として扱われることが多い種で、同じHippoperdon節に属し、紫褐色の胞子塊を持ちます。球形〜洋梨形で、明確な杯状の無性基部を欠く点がスミレホコリタケとの識別点です。刺状の胞子を持ち、北米西海岸では比較的一般的。熱帯・亜熱帯地域にも分布し、スミレホコリタケが少ない地域では本種が代わりに見られるといいます。
ノウタケ属のきのこはほとんどが腐生菌として機能し、有機物を分解して生態系の栄養循環に重要な役割を果たしています。一部の種は、条件によっては外生菌根菌として樹木と共生関係を結ぶことも知られています。
大型種は数兆個もの胞子を生産可能で、風や動物によって広範囲に分散されます。伝統的に止血剤としても利用されてきた一方、胞子を大量に吸入するとリコペルドノーシス(lycoperdonosis)という過敏性肺炎の一種を引き起こす危険があります。意図的な吸入が原因で発症した例もあるので、気を付けて扱うようにしましょう!
類似種との識別:ホコリタケ属(Lycoperdon)は一般的にノウタケ属より小型で、頂部に孔があります。ニセショウロ属(Scleroderma属)も通常ずっと小型。そちらは堅く弾力性があり、割ると暗紫黒色です。ノウタケ属で一番間違えやすいのはノウタケとイロガワリホコリタケですね…。イロガワリホコリタケはその名の通り、割ると白色から黄色に変色し、全体的に黄色っぽく、表面は平滑でほとんど皺がないです。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。