🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- ナヨタケ科の小型きのこで、襞が黒く成熟し液化(自己消化)する種が多いです🍄
- 傘の表面に雲母(きらら)様の光る粒子を持ち、キララタケに代表される
Micacei 節が最も代表的なサブグループです✨- 成熟すると襞が墨汁のように溶けるのが特徴的ですが、イヌセンボンタケを含むDisseminati節は例外的に溶けません
- 朽木や切り株に発生し、密集した群生を作ることが多いです📍
- コキララタケを含むDomestici節の一部には、橙色の菌糸マット(オゾニウム)を形成する珍しい特徴があります🧡
- 胞子は黒色~黒褐色で、盾形・卵形・楕円形など、種により形が異なり同定の決め手になります🔍
- 傘は鐘形~円錐形で放射状の深い溝があり、成熟すると縁が反り返って巻き上がります
- 肉眼での種同定はしばしば困難で、胞子の形状・シスチジア・被膜の構造などの顕微鏡観察が必要です🔬
キララタケ属(Coprinellus)は、かつてヒトヨタケ属に含まれていた小型のきのこたちです。多くの種で成熟すると黒い襞が墨汁のように溶ける「液化」という不思議な性質を持ちます。キララタケの名前の由来となった傘表面の雲母様の小粒や、コキララタケに見られる橙色の菌糸マットなど、小さいながらも個性豊かな仲間たちです。
キララタケ属はハラタケ目・ナヨタケ科(Psathyrellaceae)に属します。かつては(旧)ヒトヨタケ属(Coprinus)の一部でしたが、2001年の分子系統解析によりキララタケ属として独立しました。現在は主に3つの大きな系統群(Domestici/Micaceiクレード、Eurysporoidクレード、コア・Setulosiクレード)に分けられています。
Wächter et al. (2020) で多くの種が新属Tulosesusに再分類されるなど、分類は現在も流動的です。形態に基づく節の分類と分子系統がよく一致していますが、イヌセンボンタケのように形態と系統が一致しない例もあり、今後も分類の見直しが続くと考えられます。
Micacei節の代表種で、世界中に分布する最も普通な種です。全世界のiNat観察記録数は驚異の4万件超え!主に北米とヨーロッパから大量に記録されています。傘は淡褐色~黄褐色で雲母様の光る粒子が特徴的。春から秋の朽木上に群生し、都市環境にもよく適応しています。盾形の胞子を持っています。
Disseminati節の代表種。極めて密集した群生を作り、時に数百本の子実体が朽木を覆い尽くします。最大の特徴は襞が黒くなっても液化しないこと。傘は1-2.5cmと小型で、若い時は白色、成熟すると灰褐色に。時にTulosesus属菌との識別が困難とされています。世界中に分布し、なんと143の交配型を持つことが知られています。
Domestici節の代表種で、明るい橙色の菌糸マット(オゾニウム)を子実体の周囲に形成する珍しい性質があります(本種とC. radiansのみの特有の形質)。傘は黄褐色で白い鱗片を持ち、襞は成熟すると溶解します。Hormographiella verticillataという無性世代を持ち、赤褐色の隔壁を持つ平行な菌糸束が特徴的。この菌は実は、ヒトに肺炎を起こす病原菌として知られています。
キララタケによく似ていますが、卵形の胞子(キララタケは盾形)と菌糸にクランプを欠くことで区別されます。傘は最大2.5cmと小型で、白色と褐色の鱗片がまばらに覆います。主にヨーロッパ全土に分布します。
キララタケ属のきのこは全て腐生菌で、朽木や切り株の分解者として重要な生態的役割を果たしています。特に広葉樹の枯死材を好み、都市環境から原生林まで幅広い環境に適応しています。春から秋にかけて、特に雨の多い時期に頻繁に発生します。
多くの種が「液化」という特殊な胞子散布戦略を持ちます。成熟すると襞が下から上へ向かって墨汁のように自ら酵素のはたらきで溶解し、胞子を含んだ黒い液体となって流れ落ちます。これにより効率的に胞子を分散させることができます。ただしイヌセンボンタケを含むDisseminati節のようにこの性質を持たない例外もあります。
観察のコツ:切り株の周りや倒木の下側など、腐朽木をチェック!イヌセンボンタケのような大群生は一目でそれと分かります。ルーペで傘の表面の粒子や鱗片を観察し、可能なら胞子紋を採って色を確認すると同定の手がかりになります。実務上はキララタケ、イヌセンボンタケなどと同定してしまっていますが、本当に単一の種なのかは微妙なところです。実際、キララタケには発生する季節が異なり、別種の雰囲気がするものもあり、イヌセンボンタケのグループも複数の類似種が存在するとされています。主要な節ごとの特徴を大まかでよいので覚えておくと役立つかもしれません。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。