🗓️ 最終更新日: 2025-06-29
- 傘に白い鱗片があり、円筒形から釣鐘形に開くのが典型的な姿です🍄
- 襞は白色→桃色→黒色と変化し、最終的に墨汁状に溶解します(液化)🖤
- 柄は白色で中空、中心に綿状の紐が通っていて抜き取ることができます✨
- 現在のCoprinus属は僅か3種のみ!かつての仲間は別の3属に分かれました📚
- ハラタケ科所属で、ヒトヨタケ類(ナヨタケ科)とは別系統です🔍
- 主に草地・道端・芝生など開けた地上に、しばしば大群生します(C. sterquilinusは糞上)🌱
- 海外ではオオシロカラカサタケを本種と誤食する事例が多いそうです。一見似ても似つかないですが…
- なんと線虫を捕食する能力があり、菌糸の先端の刺で獲物を刺します!😱
ササクレヒトヨタケ属(Coprinus)は、白い鱗片に覆われた円筒形の傘と、成熟すると墨汁状に溶解する襞が特徴的なきのこです。かつてのCoprinus属は本種を含め、液化するきのこからなる大グループでしたが、2001年の分子系統解析の結果、現在は僅か3種のみを含む小さな属に再定義されました。代表種のササクレヒトヨタケは世界中の草地や道端で見られ、その独特な液化による胞子散布メカニズムと線虫捕食能力で知られています。
ササクレヒトヨタケ属は担子菌門・ハラタケ目・ハラタケ科(Agaricaceae)に属します。これは2001年の画期的な分子系統解析により判明した事実で、従来の形態分類を根底から覆すものでした。液化という特徴的な形質が複数の系統で独立に進化したことを示す、収斂進化の好例です。
かつて「ヒトヨタケ類(英名:インクキャップ)」として一つにまとめられていたCoprinus属は、実は多系統群であることが判明。現在は4つの属に分割され、基準種のササクレヒトヨタケを含む真のCoprinus属(ハラタケ科)と、Coprinellus属、Coprinopsis属、Parasola属(いずれもナヨタケ科)に再編成されました。それに伴い、「ヒトヨタケ属」の和名も本属からCoprinopsis属に移し替えられることに…。
属の基準種で、世界中に広く分布する最も普通種で、都市環境など身近な環境でも頻繁に見られることから、iNat観察記録は約65,000件と膨大な数に及びます。傘は白色の顕著な鱗片で覆われ、「ササクレ」の名の由来となっています。高さ6-20cm、傘径4-8cmと大型。肥沃な草地、道端、芝生、都市公園など開けた地上に発生。幼菌は食用とされ、「コプリーヌ」などの名称で人工栽培されたものが流通しています。野生のものは採集後数時間で自己消化が始まるため要注意。ヒトヨタケが含む毒成分、コプリンは本種には含まれていないので、お酒と一緒に摂食しても安全とされています。
ササクレヒトヨタケ属のきのこは基本的に腐生菌ですが、驚くべき捕食能力も持っています。ササクレヒトヨタケは菌糸の先端に有毒の刺状構造を形成し、線虫を刺して殺し、その後菌糸が体内に侵入して内容物を消化・吸収します。
また、液化は独特な胞子散布戦略です。襞が極めて密集しているため通常の胞子放出が困難で、下部から順に胞子を放出後、その部分を溶解させて巻き上げ、上部の胞子放出スペースを確保するという巧妙な仕組みです。この過程で生じる黒い液体に大量な胞子が含まれ、雨水などで拡散されます。実際にこの黒い液体を墨汁のように使い、アート作品を作っている人もいます♪
見分けのコツ:ササクレヒトヨタケを他のヒトヨタケ類と区別することが重要です!真のササクレヒトヨタケかどうかは、①白い鱗片のある円筒形の傘、②柄の断面に綿状構造が走ること、③地上生であることなどで判断しましょう!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。