🗓️ 最終更新日: 2025-06-13
- 小型~中型のきのこで、傘は多くの場合黄褐色~褐色を呈し、地味な色合いです🍄
- 襞は間隔が密で、柄に直生~上生または離生し、白色~淡褐色の色調を示します
- 柄は細長くしなやかで、中実から中空になり、基部に菌糸束を伴うことがあります✨
- 胞子紋は白色で、胞子は楕円形から長楕円形、平滑で非アミロイドです🔍
- 傘表皮にはDryophila構造と呼ばれる特徴的な末端細胞を持つ種が多いです
- 一部の節(Impudici)には腐敗したような独特の悪臭を放つ種を含みます💦
- 主に腐生菌として落葉や木質のリターを分解し、森林生態系で特に重要な役割を果たすきのこです🍂
- 以前はCollybia属として知られていましたが、1997年に本属として独立しました📚
モリノカレバタケ属(Gymnopus)は腐生菌のきのこの仲間で、世界中の温帯から熱帯にかけて広く分布しています。多数の種が知られており、小型から中型の子実体を形成し、主に森林の落葉や木質のリターを分解する重要な分解者です。1997年までは主にCollybia属として扱われていましたが、分子系統解析により独立属として再分類されました。Collybia属には現在ホコリヤグラタケなど、他のきのこに生えるきのこが含まれていますが、分類が追い付いていない面があります。
モリノカレバタケ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ツキヨタケ科(Omphalotaceae)に属します。属名のGymnopusはギリシャ語で「裸の柄」を意味しますが、その名の通りつるっとした無毛の柄を持つ種が多いです。
本属の分類学的な転換点は1997年でした。Antonínらの研究により、それまでCollybia属とされていた種群がGymnopus、Rhodocollybia、Collybiaの3属に再編成されました。この変更は後の分子系統解析でも支持され、現在ではさらに複数の節に分けられています。最新の研究では、一部の節を独立属として扱う提案もなされており、分類体系は今後も更新される可能性があります。
Levipedes節に含まれ、本属で最も観察例が多い代表種です。全世界のiNat観察件数は約1万6千件でダントツ。傘は2-6cmで赤褐色から黄褐色、乾燥すると色が薄くなります。襞は白色で密に並び、柄は無毛平滑で中空、基部から白い菌糸束が伸びることがあります。胞子は5-7×3-4μmの楕円形。広葉樹林・針葉樹林を問わず広く分布し、春から秋(温暖地では冬も)に発生します。
iNat観察件数約4千件で、欧米から多数の投稿があります。腐敗したキャベツのような強烈な悪臭が最大の特徴で、同様の性質を持つ種が集まるImpudici節に属します。傘は半透明条線をあらわし、襞は淡褐色。柄は先端が淡色で基部が黒色を帯び、しばしば縦に割れ目が入ります。広葉樹や針葉樹の落葉上に発生し、特にセコイアの下でよく見られます。晩秋から冬にかけて発生。
Androsacei節の代表種で、かつてはホウライタケ属に含まれていた通り、モリノカレバタケ型ではなくホウライタケ型の、極めて小型の子実体を形成します。傘は暗色から桃褐色、襞は柄に直接付着し(襟帯がない)、桃色を帯びます。柄は馬の毛のような細さと質感で暗色、基部から菌糸束が伸びます。主に針葉樹林、特にマツ属の落葉や落枝上に発生し、北方・山岳地域に多く分布します。
本属の基準種を含むGymnopus節の代表種。最大の特徴は紡錘形の柄(中央部が膨らみ両端が細い)と、襞が非常に疎ということです。塊状に発生し、主に広葉樹(特にコナラ属)の根元や埋もれた根に発生し、しばしば巨大な株をなします。腐生菌としてだけでなく樹木の根腐病の原因にもなり、ヨーロッパ原産ですが北米では侵略的外来種として問題視されています。日本からのiNat記録はまだありません。巨大なエノキタケが本種のように見えることはあります。
Impudici節に属し、強い不快な臭気を持つことが特徴です。形態的には同節の他種と類似しますが、和名の通り全体的に(特に柄が)焦茶色なのが特徴で、雰囲気的にはホウライタケ寄りです。広葉樹や針葉樹の落葉上に発生し、欧米では秋から冬にかけて見られるとされますが、日本ではしばしば早春に発生します。
モリノカレバタケ属の種は主に腐生菌として機能し、森林生態系において重要な役割を果たしています。特にクヌギタケ属、ホウライタケ属と並んで「御三家」ともいわれるほど主要な森の分解者です。落葉、木質のリター、土壌化した有機物などを分解し、土に還す機能を担っています。多くの種はある程度特定の基質を選好する傾向があり、針葉樹林を好む種、広葉樹林を好む種など、生息環境に応じた適応を示します。
一部の種(特にG. fusipes)は弱い病原性を示し、樹木の根腐れ病を引き起こすことがあります。発生時期は主に春から秋ですが、温暖な地域では冬にも見られます。地理的には世界中の温帯から熱帯にかけて広く分布し、森林だけでなく草原や都市公園など、様々な環境に適応しています。関東の里山でも、同定不能な種を含め多数の種が発生し、おそらく未知種も存在します。
同定ポイント:多様な一方、どれも決め手となる特徴に乏しいグループですが、節ごとの大まかな特徴を覚えるのがよいです。Androsacei節は極小で馬の毛のような柄、Gymnopus節は紡錘形の柄と疎な襞、Impudici節は強い悪臭、Levipedes節は滑らかな柄と密な襞。実際には種までの同定は困難なことも多いですが、頑張って特徴的な形質を見出し、記録しておきましょう…!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。