🗓️ 最終更新日: 2025-05-28
- 襞が柄から完全に離れている(離生)のが最大の特徴で、襞の色は白色→淡紅色に変化します🌸
- 胞子紋は襞とだいたい同じ色の淡紅色~淡紅褐色です✨
- つぼやつばが無いことで、よく似たフクロタケ属などと区別できます🔍
- ほぼ全ての種が枯れ木や倒木上に発生する腐生菌で、埋もれた木材では地上生に見えることも🪵
- 節レベルの識別はシスチジアの形態で決まり、メチュロイドなら節Pluteus、非メチュロイドなら他の2節です📊
- 傘表皮の構造も重要で、平行菌糸被・子実層状被・毛状被の3タイプに分かれます🔬
- 世界で約500種が知られ、分子系統解析により多くの「複合種」が認識されています🌍
- 初めは鐘形、後に平らに開く傘と、白色で縦筋のある柄が典型的な姿です🍄
ウラベニガサ属(Pluteus)は、その名の通り傘の裏側(襞)が美しい淡紅色を帯びるきのこの仲間です。最大の特徴は襞が柄から完全に離れていること(離生)で、これは野外でも簡単に確認できる重要な識別点です。世界中の温帯から熱帯に約500種が分布し、ほぼ全てが枯れ木や倒木を分解する腐生菌として森林生態系で重要な役割を果たしています。
ウラベニガサ属は担子菌門・ハラタケ綱・ハラタケ目・ウラベニガサ科に属する単系統群です。最新の分子系統解析により、かつてChamaeota属として独立していたつばを持つ種(P. mammillatusなど)も本属に含まれることが判明しました。
属内は伝統的に3つの節に分けられており、これは分子系統学的にも支持されています:節Pluteus(メチュロイドを持つ)、節Celluloderma(非メチュロイドのシスチジア、短い傘表皮細胞)、節Hispidoderma(非メチュロイドのシスチジア、長い傘表皮細胞)。ただし、節Cellulodermaの下位分類(亜節)は分子データでは支持されていません。
属の基準種で、最も普通に見られる種(iNat観察記録28,000件以上)。傘は鹿の子のような褐色(学名cervinus=鹿の意)で径3-12cm。大根のような独特の臭いがあり、シスチジアはメチュロイドで先端に2-5本の角状突起を持ちます。様々な広葉樹の枯れ木に発生し、世界的に広く分布します。もし襞に縁取りがあれば本種ではなくクロフチシカタケかも?
Celluloderma節の代表種で、ヨーロッパでは観察記録の多い種。柄が特徴的なクリーム色~黄色を帯びます。傘は暗褐色~帯褐オリーブ色で径3-7.5cm。最近の研究でユーラシア地域に限定されることが判明し、北米の標本はP. fulvibadiusなど別種として再分類されました。白色型の品種(f. albidus)も存在します。
Hispidoderma節の代表種で、傘は鮮やかな黄色~黄褐色。径2-6cmと小型で、傘表皮は長い伸長した細胞からなる毛状被構造でビロード状の質感を持ちます。主に広葉樹の枯れ木に発生し、北半球の温帯地域に広く分布します。
Celluloderma節に属し、傘が鮮やかな橙色~朱色を呈する美麗種。傘にはしばしば種小名の通り皺状の模様が見られます。非メチュロイドの短いシスチジアを持ち、北半球の温帯地域に分布。関東の里山でもしばしば見つかる美しい種の一つです。
ウラベニガサ属のきのこはほぼ全てが腐生菌で、枯れ木、倒木、切り株、木材廃棄物などの木質基質を分解して生きています。埋もれた木材から発生する場合は一見地上生のように見えることもありますが、基部を掘ると必ず木質基質につながっています。
いくつかの種は特定の樹種と関連を持つことが知られており、例えばP. salicinusは湿った環境のヤナギ属を好み、P. atromarginatusは針葉樹材に特異的に発生します。発生時期は春から秋が中心ですが、温暖な地域では冬でも見られることがあります。
実践的な同定の流れ:①まず襞が柄から離れているかを確認→②つぼ・つばの有無をチェック(通常は両方なし)→③襞の色(≒胞子紋の色)を確認(桃色・淡紅色)→④基質が木材かどうかを確認→⑤可能なら顕微鏡でシスチジアの型(メチュロイドか非メチュロイドか)を観察。この手順で属レベルの同定はほぼ確実です!節レベルの同定には傘表皮の構造観察も必要になります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。