🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 子実体は赤褐色〜橙色〜黄色の暖色系で、材にしばしば見られます🌅
- 襞は初め黄色ですが、成熟すると胞子の色でさび色に変化します
- 胞子紋はさび褐色で、フウセンタケ科から独立した重要な特徴です🎨
- 多くの種で強い苦味があり、噛むとすぐにわかります(すぐ吐き出して!)
- 14種がシロシビン(幻覚性物質)を含み、一部は傷つけるとその成分を含むシビレタケのように青変します💫
- 傘の表面は乾いた鱗片状のものが多く、触るとザラザラした質感です
- 海外ではケコガサタケ属(Galerina)と間違えられやすく、致命的な毒きのことの鑑別が問題になります⚠️
- 世界に約200種以上が知られ、針葉樹・広葉樹の枯死木や切り株に群生します
チャツムタケ属は「茶紡錘茸」の名の通り、赤褐色から橙色の暖かい色調が特徴的な材生息菌です。世界中の森林で枯死木や切り株を分解する重要な役割を担っています。多くの種が苦味を持ち、一部にはシロシビンなどの幻覚性物質を含むため、観察には注意が必要です。
チャツムタケ属(Gymnopilus)は担子菌門・ハラタケ目・ヒメノガステル科に属します。1879年にフィンランドの菌学者カルステンによって提唱されました。
歴史的には分類が大きく変遷し、初期はハラタケ属、その後スギタケ属、フウセンタケ科、モエギタケ科などに分類されてきました。現在の分子系統解析により、ヒメノガステル科に位置づけられています。2003年の研究で単系統群であることが確認され、ITS領域の解析から5つの主要な系統グループが識別されています。
本属の代表種で、傘径5-30cmにもなる大型種です。若い時は鮮やかな黄橙色で、成熟すると赤褐色に。柄の中央付近に明瞭なつばがあるのが特徴。広葉樹の切り株や基部に群生します。実は日本でオオワライタケとよばれている種は複数種からなるといわれています。
主に針葉樹の枯死材に群生する中型種。傘径2-8cm、金色から橙褐色で乾いた鱗片状。柄を擦ると赤褐色に変色する特徴があり、時に苦味を持ちます。
特徴的な紫色を帯びる種で、傘は赤紫色から黄色へと変化します。初めは紫色の鱗片で覆われ、後にレンガ色、最終的に黄色に退色。日なたの乾燥した材から発生していることもしばしば。
G. aeruginosus(ミドリスギタケ)もしばしば目にする種ですが、きのこのどこかに緑色のしみが生じるのが特徴。近年、チベット周辺から新種が続々と発見されており、この属の多様性はまだ完全には解明されていません。
チャツムタケ属は全て腐生菌で、白色腐朽菌として木材中のリグニンを分解します。リグニン分解酵素(ラッカーゼ、リグニンペルオキシダーゼなど)を産生し、森林生態系の物質循環に重要な役割を果たしています。
主に枯死木、倒木、切り株などの木質基質上に発生しますが、地中に埋もれた木材上にも生育するため、一見地上生に見えることもあります。世界中に広く分布し、種によって針葉樹・広葉樹の好みが異なります。
顕微鏡観察の重要性:チャツムタケ属の正確な同定には顕微鏡観察が必須です。胞子は楕円形から紡錘形で、粗面または疣状の装飾を持ち、発芽孔を欠きます。胞子サイズは種により6-11×3-6μmと幅があります。縁シスチジアはほとんどの種で観察され、棍棒形から楔形。クランプがほぼ全ての菌糸に存在することも重要な特徴です。近縁種の区別には分子系統学的データも必要な場合があります。
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。