🗓️ 最終更新日: 2025-05-25
- 傘は繊維質で絹のような質感で、とんがり屋根(円錐形)から平らに広がります🍄
- 精子のような独特な臭いがするものが多く、この臭いが重要な識別点です💭
- 胞子紋は褐色で、成熟した襞も褐色を帯びてきます🤎
- 柄の上部は粉状で、白い粉を吹いたような外観を示します✨
- 多くの種で厚壁の側シスチジア(メチュロイド)を持ち、先端に結晶が付着します🔍
- 傘の表面は裂けたり、鱗片状になる種も多く見られます📐
- 外生菌根菌で、マツ・カバノキ・ブナなど様々な樹木と共生関係を形成します🌲
- 世界で約1,050種が知られる大型属ですが、多くの種が有毒でムスカリンを含有します⚠️
アセタケ属(Inocybe)は「小さな茶色いきのこ(LBM)」の代表格で、数あるきのこの中でも同定が最も困難な属の一つとして知られています。雰囲気でアセタケの仲間、と認識するのは比較的容易ですが、多数の種を含み、未知の部分も多いです。世界中に広く分布し、様々な樹木と菌根共生をする重要な森林菌類ですが、多くの種が神経毒のムスカリンを含有するため注意が必要です(和名の「汗茸」は中毒症状に由来)。
アセタケ属は担子菌門・ハラタケ目・アセタケ科(Inocybaceae)に属する菌根性の菌類です。1821年にFriesにより記載された、とても歴史のある属の一つです。
2019年のMathenyらの分子系統学的研究により、従来のアセタケ属は多系統であることが判明し、現在はアセタケ科としてAuritella、広義のInocybe、Inosperma、Mallocybe、Nothocybe、Pseudosperma、およびTubariomycesの7属に分割されています。オオキヌハダトマヤタケなど、よく見るアセタケは他の属に移されてしまいました…(野外で「アセタケ属」と同定しにくくなった原因)。狭義の本属は、厚壁で結晶を持つ側シスチジアを特徴とするInocibium亜属を中心に構成されています。
世界的に最もiNat観察記録の多い種(約5千件)。傘は直径1-4cmと小さめで、白色~クリーム色で絹状、明瞭な中丘を持ちます。柄は細く、つばはありません。平滑な楕円形の胞子を持ち、針葉樹林と広葉樹林の両方に生息。有毒でムスカリンを含有します。シロニセトマヤタケとの区別が愛好家の間でしばしば問題になり、子実体のサイズや傘・柄の形状、臭いなどが異なるとされています。しかし、はっきりと区別できないこともしばしば…。
傘と柄が美しい淡紫色~紫色を呈する種(観察記録約1,500件)。若い時は色が濃く、成長とともに退色します。白色のクモの巣状のコルチナ(クモの巣膜)が特徴的。長年、同時に発生することもあるシロトマヤタケの変種とされていましたが、分子系統解析により独立種と判明しました。北米では複数の類似種が存在します。
典型的なLBMの外観(観察記録約550件)。傘は1-3cm、「嗅ぎ煙草色(スナフブラウン)」と形容される褐色で鱗片状。最大の特徴は特に長い円筒形の胞子(11-15×4.5-6μm)で、イグチ目の胞子を思わせる形状です。砂質土壌を好み、特にマツとの関連が強いです。有毒でムスカリンを含みます。
アセタケ属は全て外生菌根菌で、樹木の根と共生関係を形成し、水分や栄養素の交換を行います。温帯林から北極圏のツンドラ、さらには熱帯地域まで、驚くほど多様な環境に適応しています。
宿主樹木も多様で、マツ・トウヒなどの針葉樹から、カバノキ・ブナ・カシなどの広葉樹、さらに北極・高山地域ではヤナギやチョウノスケソウ属などの低木とも共生します。土壌タイプの好みも種によって異なり、砂質土壌を好む種、粘土質土壌を好む種、石灰質土壌や湿潤環境に特化した種など様々です。
同定メモ:アセタケ属の正確な同定には顕微鏡が不可欠です!肉眼だけで「何とかアセタケ」、とはとても言えないのが現状です…。特に属レベルの識別に重要なのは、胞子の形状(平滑・瘤状・角張る)とサイズ、シスチジアの形態(厚壁のメチュロイドか薄壁か、結晶の有無)です。最近はITSバーコーディングなどの分子同定も併用されますが、形態観察の重要性は変わりません。野外では必ず新鮮な時の臭いを確認し、生育環境と宿主樹木を記録しておくとよいですよ…!
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。